どんなものでも「見たまんま」というのは
面白くないし、あまり好きじゃない。
賢そうな人が思いっきりバカだとか、
逆にアホそうに見えて実は賢い、
そんな人にはすごく魅力を感じるし、
個人的には最高にかっこいいとさえ思う。
ただ、それもあまりにもアホ丸出しではいけない。
アホさの裏側に計算しつくされたものがあり、
絶妙なバランスでそれをうまく表現できる。
そんなものが本当にいいものじゃないだろうか?
そういうものに本当に長い間出会ってないような気がする。
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チープ・トリック「グレイテスト・ヒッツ」
先日のイーグルスに引き続き、これもある1曲を聞きたいがために買った。
チープ・トリックを知ったのは、たしかデビューアルバムだったと思う。
俺にはとにかくうるさいだけの印象と、二人の男前と丸坊主とデブの4人を見て
なんとバランスの悪い4人組なんだ、と思った。
その当時はかっこいいバンドというのはZEPのように4人ともがかっこよくて
まさに非の打ち所がないバンドこそが最高だと思っていた。(ZEPは事実最高ですが)
そしてその後あまり興味はなかったが、連れがはまり、知らんうちに殆どのアルバムを聞いていた。
その中の一つに「Dream Police」というふざけた題名のアルバムがあり、
「あ~またか」と思いながら聞いていたところ、不覚にも見事にある1曲にはまってしまった。
You didn't know what you were looking for Till you heard the voices in your ear.♪
こんなコーラスから始まるビートルズを彷彿とさせるような美しい曲。
その曲を書いたのは、ギタリストでリーダーで丸坊主のふざけたおっさんだった。
決してテクニカルではないけど、計算されたメロディーラインは、まさに非の打ち所がなく
こんなに素晴らしい曲をあのバランスの悪い4人が・・・そう考えたとき
「本物のよさ」というものはどうあるべきなんだということを学ばされたような気がする。